暴雨郵便局

E25 · B

借りた光のリール

いちばん後ろの席のあなたへ

映写機が動き出すと、映像より先に、色あせた金色の丸い光が壁に現れます。光はいつも借りものです。月は太陽から、スクリーンは映写機から、故郷を想う人は寝台の前の月明かりから。ある詩人はこう詠みました。「寝台のまえ、月の光が白く差し、地に降りた霜かと見まがう。頭を上げて明月を仰ぎ、うつむいて故郷を思う。」——李白『静夜思』(726年ごろ)

この手紙は1991年の初め、ロサンゼルスのチャイナタウンから届きました。封筒はクリーム色の紙。背の高い細身の映画風の題字を、監督の優美な手書きの一筆が斜めに横切っています。濃い緑のフィルムのコマには、チャイナタウンの一角のシルエット。赤土色の看板のインクの色面、それに色あせた金色の映写の円。

どうぞ、少し光を借りていってください。手紙は小さなフィルムの一巻。一コマずつ映されて、いつか誰かの壁に灯ります。

借りた光のもとで

暴雨郵便局

1991年初め・ロサンゼルス、チャイナタウン

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