暴雨郵便局

E33 · C

色あせない春の便り

小さな店の前を通りかかったあなたへ

この手紙は、1994年以降の春から届きました。通りには小さな店があり、デニムのつぎあてがあり、細い店のレシートがあります。封筒はセージグリーンがかった灰色で、題字は看板屋さんが手で書くような大きな文字。太く、あたたかく、一筆ずつ刷毛で書かれています。淡いピンクの梅の枝のそばに、白鷺の切り紙がひっそり立っています。デニム風に刷られた青いパッチ、値段の書かれたクリーム色の紙のラベル。伝統と暮らしが、こうして並んでいます。

千年以上前、ある詩人の窓の外にも、こんな景色がありました。「二羽の黄鸝が緑の柳で鳴き、白鷺の一列が青空へ上る。窓は西の嶺に千年とけぬ雪を含み、門には東呉から万里を来た舟が泊まる。」——杜甫『絶句』(764年)

窓のこちらは春、向こうは雪。門には遠くから来た舟が泊まり、遠くから来た手紙も届きます。ようこそ。春は色あせず、手紙も色あせません。ゆっくり読んでください。お返事もゆっくり待っています。

春が通りがかりに、よろしくと

暴雨郵便局

1994年以降・ある早春

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