M03 · B
子どもたちは覚えている
古い練習帳を開いたあなたへ
暴雨郵便局へようこそ。この手紙は練習帳の紙に書かれています。クリーム色で、うすく罫が引かれ、題字は丸くつながる文字。子どもが一生懸命きれいに書こうとした気配が、そのまま残っています。余白には青いインクの万年筆の落書きが這い上がり、並んだ机、木のうろ、小さな幾何立体がいくつか。紙の角は銅のホチキスで留められ、色あせた赤い日付ゴム印は、1985年から1987年のあいだのどこかの日を示しています。
大人が整理してしまったことを、子どもは子どもなりに覚えています。ずっと昔、ある詩人はこう書きました。「子どもは大人の父である。私の日々が、一日また一日と、自然な敬いの心で結ばれていたらと思う。」——ウィリアム・ワーズワース『私の心は躍る』(1807年)
紙の隅には、半透明の写真用コーナーが一つ。中はまだ空っぽで、あなたを待っています。思い出したことがあれば、書いて送ってください。雨の日は、文字が少しやわらかくなります。
子どもたちに代わって
暴雨郵便局
1985〜1987年・机と木のうろ