M11 · C
農家にはまだ灯りが
窓に灯りをともし続けるすべての家へ
暴雨郵便局へようこそ。この手紙は1920年の秋、西部戦線のはずれにある田舎の農家から届きました。封筒はくすんだセージグリーンの麻布で、農場の門に掲げた手描きの看板のような書体の文字。細長い版画の枠には農家と葉の落ちた木々があります。つぎはぎのようなクリーム色の切手、錆びた赤の野帳ラベル、押し花の小さな絵、そして紙には空押しで、インクの通らない小径がいくつか刻まれています。
戦時の詩に、戦場は出てきません。あるのは、のろのろと畑を耕す男と、ささやき合いながら通りすぎる恋人たち。詩はこう結ばれます。「戦争の年代記は夜に溶けてしまうだろう、あの二人の物語が終わるよりも先に。」——トマス・ハーディ『諸国民の崩壊のとき』(1916年)
窓に灯りがあるとは、そういうことです。お疲れなら、荷物を戸口に置いて、温かいものを口にして、誰かへゆっくり手紙を書いてください。
あたたかな灯りがあなたに
暴雨郵便局
1920年秋・西部戦線