暴雨郵便局

E12 · C

最後の夏のテープ

再生ボタンを押したあなたへ

暴雨郵便局へようこそ。1990年、紺色の封筒です。題字はビデオテープの箱のように右へ傾いた筆の大文字。くすんだセージグリーンと薄紫のシルクスクリーンは湖の地図で、橙赤色のカセット索引シール、映画のコマのような湖岸の景色、蛍の細かな点がそれを彩ります。磁気テープの小さなざらつきが、古びて、ちょうどいい具合に混じります。

ある十四行詩は、夏が足早に去ることを嘆きました。「夏に貸された期間は、あまりにも短い。」——ウィリアム・シェイクスピア『ソネット』第18番(1609年)

あの夏はテープに録画され、再生するとやっぱり跳ねて、色あせて、間延びします。ほんとうに、夏の貸し期間は短すぎるのかもしれません。それでも、あなたが見ている間は、まだ続いています。あなた自身の夏を私たちに書いてくださるなら、ゆっくり書いてください。棚に残った最後の一本のテープのように、大切に扱います。

夏が画面のなかにとどまりますように

暴雨郵便局

1990年・グリーンレイク

追伸 ご覧になったら、巻き戻しをお忘れなく。

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