暴雨郵便局

E25 · A

チャイナタウン、撮影が終わって

撮影が終わっても帰らないあなたへ

撮影終了の声がかかり、カチンコが最後に閉じ、ライトが一つずつ消えると、セットの外のロサンゼルスのチャイナタウンは、ちょうど灯りがともり始めたところ。この手紙は1991年の初め、ロサンゼルスから届きました。封筒は翡翠色。バイリンガルの小さな店の看板のように、のびのびと筆で書かれた英字の題字は、勢いがあっても一字一字ちゃんと読めます。クリーム色のカチンコの格子、くすんだ赤の映画館の庇、牌楼の線刻、黄土色の食堂の伝票、小さなフィルムのパーフォレーションの切れ込み。

芝居は終わっても、誰も帰りません。ある劇作家は、年老いた魔術師にこう言わせました。「われらの宴はこれで終わった。あの役者たちは、前に言ったとおり、みな精霊だったのだ。空気の中に、薄い薄い空気の中に溶けていった。」——ウィリアム・シェイクスピア『テンペスト』(1611年)

灯りが消える速さのことは言いません。消えたあとにも、温かいスープの一杯があることだけを。どうぞ座って、ゆっくり食べて、それから手紙を一通。

スープはまだ温かいですよ

暴雨郵便局

1991年初め・ロサンゼルス、チャイナタウン

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