暴雨郵便局

E25 · C

編集室からの手紙

編集台を守るあなたへ

編集室には窓がありません。壁には赤いグリースペンシルの印が貼りめぐらされ、床には切り落としたフィルムの端が渦を巻いています。

この手紙は1991年の初め、ロサンゼルスのチャイナタウンから届きました。封筒は深い青緑のざらりとした紙で、幅の狭いアクション映画風の太い題字は、象牙色と朱色。紙面は切り貼りの編集記号でびっしり。縁にはスプロケットの穴、セージグリーンの小さな街路図、角には温かな食堂のレシート。

切るとは、すきまを見つけること。『荘子』の料理人・庖丁は、刃が薄く厚みがないので、牛の関節のすきまへするりと入ると語ります。「関節にはすきまがあり、刃には厚みがない。厚みのないものをすきまに入れれば、ゆったりと、刃を遊ばせる余地はいつでもある。」——『荘子』養生主(紀元前3世紀ごろ)

よい編集も同じ。ショットとショットのあいだに少しだけ余白を残して、観客がそこへ入っていく。手紙もそう。ようこそ、すきまからどうぞ。

一コマずつ、ゆっくりと

暴雨郵便局

1991年初め・ロサンゼルス、チャイナタウン

ホームに戻るすべての手紙