暴雨郵便局

E31 · C

真夜中の乗客

真夜中にまだ起きている乗客へ

ある有名なバラードは、こう問いかけて始まります。「こんなに遅く、夜と風のなかを馬で行くのは誰だ。」——ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ『魔王』(1782年)

この夜行列車では、その答えはあなたです。真夜中、寝台車の廊下に灯りがひとつだけ残っています。1913年11月、列車は中央ヨーロッパの雪原を渡り、ブダペストの方角へ進んでいきます。封筒はワイン色の筋目の入った紙。題字は控えめで美しいブラックレター、クリーム色の飾りが文字のあいだに絡んでいます。深い青緑のアーチ形の車窓には、コウモリのような紋章の影が落ちていますが、これは刷られた民間装飾にすぎず、飛んだりしません。真鍮色の角の罫線と、象牙色の寝台券も。

どうかこわがらないでください。馬を駆る必要はなく、寝台券があります。車掌は夜明け前にノックしてくれるでしょう。ようこそ。暗いうちに一通書いて、それから眠ってください。

おやすみなさい。影がただの模様でありますように

暴雨郵便局

1913年11月・ブダペスト行き

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