暴雨郵便局

M09 · C

未完の調書

ファイルを開いたあなたへ

暴雨郵便局へようこそ。この手紙は1991年3月のウシュアイアから。ワインレッドの大理石模様の紙を黒い糸で綴じた姿は、まだ誰も閉じていない調書のようです。余白にはぐるりと廊下がエッチングで刻まれ、一角にはセージグリーンの観察表が貼られて案件番号の印が押され、題字はタイプライター体と斜体活字の二段組みになっています。

最後まで書かれなかったある小説は、こんな一文で始まります。「だれかがヨーゼフ・Kを中傷したにちがいない。なにも悪いことをしていないのに、ある朝、彼は逮捕されたのだから。」——フランツ・カフカ『審判』(1925年)

その事件は、以来ずっと開いたままです。ここでも事件簿は開いていますが、逮捕される人はいません。あなたはただ、迎え入れられるだけ。判決はなく、順番に読む必要もありません。好きなページから、どうぞ。

判決はいりません

暴雨郵便局

1991年3月・ウシュアイア

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